東京都立国際高校帰国子女枠入試のエッセイ対策 ~ 参考書籍の紹介『NYの「食べる」を支える人々』

NYの「食べる」を支える人々は、東京都立国際高校の帰国子女枠入試の作文エッセイの書き方の参考になります。

帰国子女枠入試専門コンサルタントの齊藤です。

武蔵野大学高校の、2022年度海外帰国生入試(帰国子女枠入試)が、11月21日(日)に行われます。

・Web出願期間: 11月1日(月)~19日(金)

・A方式試験科目(全コース対象): 国数英(各50分 各100点満点)、受験生面接試験(日本語 10分程度)

・B方式試験科目(PBLインターナショナルのみ対象): 英語エッセイ(50分 100点満点)、受験生面接試験(英語 10分程度)

武蔵野大学高校は武蔵野大学の附属校ですが、他大学に進学することもできます。

武蔵野大学高校を受験するみなさん、勉強をがんばってくださいね。

さて今回は、帰国子女枠入試の作文エッセイの書き方について、お伝えします。

帰国子女枠入試の試験形態は、大きく3つに分けることができます。

1、学科試験型

原則、学科試験結果だけで合否が決まる

2、自己PR型

作文エッセイ、願書(活動実績や志望理由)、面接試験などの自己PRで合否が決まる

3、学科試験+自己PR型

学科試験の結果と作文エッセイと面接試験結果を総合的に見て、合否が決まる

現地校生・インター生のみなさんは、「2」を選ぶことが多いですよね。

海外の学校で学んできた内容は、日本の学校のそれとは大きく異なります。

また、現地校・インター校の日々の勉強と受験勉強を両立させるのは、かなり大変です。

ですから、海外で頑張ってきたことを評価してくれる「2」の自己PR型の入試で勝負した方が、合格できる可能性が高いと思います。

首都圏で自己PR型の帰国子女枠入試を実施している学校はこちらに掲載してありますので、参考にしてみてくださいね。

「2」の自己PR型入試の試験科目について、さらに説明します。

自己PR型の入試では、作文エッセイの試験があることが多いです。

東京都立国際高校の帰国子女枠入試の作文エッセイテーマを確認してみましょう。

・2019年度帰国生入試作文テーマ(9月入学)

海外での生活は、あなたにどのような影響を与えたと思いますか。

具体例を挙げて、あなたの考えを述べなさい。(50分 540字~600字)

・2017年度帰国生入試作文テーマ(4月入学)

努力は報われるという考えがあります。

この意見に対してあなたは賛成ですか、反対ですか。

理由や例を挙げて、あなたの考えを述べなさい。(50分 540字~600字)

・2015年度帰国生入試作文テーマ(4月入学)

海外の学校生活において、あなたは勉強以外でどのようなことを学んできましたか。

あなたの体験に基づき具体例をひとつ挙げて答えなさい。(50分 540~600字)

上記の作文エッセイテーマは、海外生活での経験と結び付けやすいので、書きやすいと思います。

受験生のみなさんは、上記のテーマを見て、どのような内容を思いつくでしょうか。

海外生活はどのような影響を与えたか(2019年度帰国生入試作文テーマ 9月入学)

・海外生活を通して、色々な人たちとコミュニケーションができるようになった

・海外生活を通して、視野を広くなった、様々な意見を受け入れられるようになった

努力が報われるかどうか(2017年度帰国生入試作文テーマ 4月入学)

・努力の末、英語力が格段に伸びて、学校では最も努力した人としても表彰されたので、努力は報われる

・努力の末、サッカーのトライアウトに合格して、さらに試合に出られるようにもなったので、努力は報われる 

海外の学校生活において勉強以外でどのようなことを学んだか(2015年度帰国生入試作文テーマ 4月入学)

・学校のクラスメイトとの交流を通して、世界各国の文化や習慣を学ぶことができた

・学校の授業での発表を通して、分かりやすく説明する方法を身に付けられた

多国籍な現地校やインター校では、学校のルールが日本と異なりますし、通う生徒たちのバックグラウンドや価値観はバラバラですし、母語も異なります。

ですから、どの現地校・インター校に通っても共通して、上記枠内のような影響を受けたり、学びを選られたりすることが多いと思います。

しかし、たとえば、ニューヨークの現地校出身の帰国生と、北京の現地校の国際部出身の帰国生と、ジュネーブのインター校出身の生徒は、住んでいる環境や通っていた学校が大きく異なるはずです。

だから、色々な人たちとコミュニケーションができるようになったり、視野が広くなったりするプロセスはそれぞれ異なるはずなのですが。

作文エッセイで表現すると、なぜかどれも同じような内容になってしまっていることが多い気がします。

なぜでしょうか?

理由はカンタンです。

自身の経験を組み込んで具体的に書かないからです。

そして、自身の経験や、その経験をしたときにどのように考えていたかを、棚卸するのが面倒だからです。

・なぜ、そのような影響を受けることになったのか、最初は何かに巻き込まれたのか

・なぜ、努力を積む決断をしたのか、とてつもなく悔しい思いをしたのか

・なぜ、勉強以外の学びを得ることができたのか、得られたのは偶然なのか必然なのか

それぞれの帰国生に、色々あるはずですよね。

その色々が、その人の魅力になります。

だからちゃんと棚卸をして、みなさんがこれまで頑張ってきたことを具体的に示して、自己PRをバッチリした方が良いですよ。

そこで、帰国子女枠入試の作文エッセイに役立つ本を紹介します。

Food and the City: New York's Professional Chefs, Restaurateurs, Line Cooks, Street Vendors, and Purveyors Talk About What They Do and Why They Do It

NYの「食べる」を支える人々

この本では、ニューヨークの食に携わる職種の人たちがたくさん登場します。

・かつてはトレーダーだったチュニジア出身のパテシィエ

・ハラル料理を提供する屋台のエジプト出身のオーナー

・トルティーヤ生地生産工場のメキシコ出身のオーナー

・破綻しかけた中華料理レストランを立て直した中国系アメリカ人経営者

紹介されている方たちは多国籍で、全員一流です。

何らかの形で結果を出している点と、食に対しての熱い思いがある点で、共通しています。

しかし、バックグラウンドも、食に携わろうと思ったきっかけも、努力の過程も、苦しかったときに抱いた思いなども、すべて違います。

登場する方々の成功について、彼ら彼女らの経験を組み込んで、具体的に描かれています。

この描き方が、帰国子女枠入試の作文エッセイの書き方の参考になります。

参考になる内容はたくさんありますが、その中のひとつを紹介したいと思います。

Lauren Clark  SUGRE MORT PRALINES(29~33ページ)

ルイジアナ州の伝統的なお菓子であるプラリーン(ナッツ類を使った砂糖菓子)を使って、ローレン・クラークさんがビジネスをどのように立ち上げたかについて

・故郷ニューオリンズの伝統的なお菓子であるプラリーンを作ろうと思ったきっかけ

・ルイジアナ州出身の人にとってのプラリーンの役割

・プラリーン職人となって、ブルックリンでビジネスを始めようと思ったきっかけ

・プラリーンを作る際の注意点

・プラリーン販売が軌道に乗ったきっかけと、軌道に乗ってからの苦労

・プラリーンでビジネスをしていくうちに気が付いたこと

この章で書かれている内容を一言でまとめると、「品質の良いプラリーンを一生懸命作ったことで注文がたくさん入るようになりました」になります。

しかし、自身の経験や考えを具体的に記載したことによって、独自のサクセスストーリーを示すことができています。

これこそ、自己PRです。

1、テーマに沿っていること
2、自身の経験を組み込んでいること
3,具体的に書けていること

帰国子女枠入試の作文エッセイでは、「1」から「3」を書く必要があります。

帰国子女枠入試の作文エッセイを書くみなさんは、「2」と「3」の書き方をこの本を参考にされると良いですよ。

ちなみに、プラリーンとは、このお菓子のことです。

この章を読んで、私はぜひ食べたいと思いました。^^

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